毒親育ち35年、その後の人生。

親から過剰に束縛される事により歪んでいった、過去の己の闇を見つめ直すべく綴っています。

もう少しまかりませんか

うちの祖母は晩年、ハンドバックに常に10万円入れて持ち歩いていました。

 

ある時はバックごと引ったくりにあい

 

盗まれるくらいならあのお金で孫であるわたしたちに何か買ってあげれば良かったと、悔しがってくれていました。

 

祖母が好きでした。

大らかな性格で、良い人でした。

 

常に苦虫を噛み潰したような顔だった祖父とは対照的だったなぁ。

 

長年辛い思いをしながら生きてきた祖母。

孫だけは、祖母に辛さを与える要素ではなかったからでしょうか。孫たちのことは愛してくれていた様に思います。

 

 

祖父母は晩年、朝起きてから寝るまで、ひねもすテレビの前に座り続けていました。無言で会話なく。

 

ある時祖母が「テレビの部屋用の座椅子が欲しい」と言い始め、町の家具屋さんに行きました。1日の多くの時間使う物ですから、快適で老人が使いやすいものを買ってあげたい…と思うのが人ってもんでしょうが

 

父は「安物でいい」「どうせすぐ死ぬんだから高い物なんて買わせるな」みたいなスタンスでしたね。1円でも多く自分の遺産が残ればいいと言う考えでしょう。ジャイアンなので。

 

それはさておき家具屋さんで祖母はお気に入りを見つけました。

 

目も耳も悪くなっていた祖母は、8千円の椅子を気に入り、それを8万円と見間違え、「もう少しまかりませんか」と値切りました。

(※まけていただけませんか、の意)

 

それを横で父は「恥ずかしい」と言っていました。

 

祖母「もう少しまかりませんか」

お店「いや、それはちょっと…」

父「恥ずかしい事言いなさんな!」

 

これを2〜3分続けたところで、じゃあその値段でいいです、とレジに進んで祖母が8万円出したところで桁の勘違いが発覚しました。

 

父が笑い者にしてしばらくネタにしていたなぁ。。。。

 

それから25年ほど過ぎて

わたし今日、ニトリに行ったんです。

7千円の座椅子に座ったら、その椅子がとても座りやすくて快適で。

 

「あの時祖母が購入した座椅子よりも、安くて良いものが出回る時代になったんだよなぁ」

そんな事を考えながら

 

祖母に思いを巡らせ

 

ニトリで1人しんみりしたのが週末の思い出です。

 

 

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