実は長年、結婚式や結婚披露宴の司会進行の仕事をしてきました。
若い頃は、花嫁さんに憧れて。
フワフワのドレスや
キラキラの髪飾り
沢山のアレンジメントフラワーに憧れて。
夢の空間に憧れた以外にも
自分の家や親子関係が色々あったので
他所様のお家の家族関係が見えるこの仕事が楽しかったのかもしれません。
純粋に「お父さんお母さん、沢山の愛情をありがとう」と手紙を読み上げる花嫁さんが大多数ですが
複雑な家庭も多いですから
手紙で恨み節を暴露する花嫁
謝辞で何かを含ませる新郎
それに俯く親御さん
いろいろ拝見してきました。
わたし自身も自分の結婚式では、親への恨み節がほんのひと匙見え隠れする様な手紙を綴りました。嫌味ですね。我ながら性格悪い。
いろんなご家族に司会という立場で関わらせて頂き、式場スタッフの皆様ともご一緒させて頂き…
仕事ぶりを褒められた日も
怒られた日も
ミスをした日も
嫌味を言われた日も
勘違いされた日も
悔しかった日も
感謝された日も
お礼が届いた日も
いろいろあったけど
何か、そろそろ、やり尽くした感があります。
仲良し家族で育った愛されキャラのお嫁さんを羨む事も妬ましく思う事も、もうないし
複雑なご家庭にシンパシーを感じる事はあれど感情移入する事も、大変ですねと身勝手に心の中で一方的に同情する事も、なくなりました。
ミスがないようにミスがないようにミスがないように…
クレームにならないようにクレームにならないようにクレームにならないように…
サービス業ですから当然そういうところに全スタッフは神経を使いますから、そういうのに疲れる所も、引っ張られるところも、なんか、もういいかなって。
そう、今日は、とても疲れているのです。
先日、とあるお寺の後継者さんご夫婦の結婚式を担当させて頂きました。
仏前結婚式では、自分も慣れ親しんだお経を一緒に唱え、仏教讃歌を斉唱しました。
同じく寺の子に生まれたわたしが歩いてきた道と、少し重なる結婚式。他の司会者よりもわたしが得意なお寺の結婚式。
無事に終えられて「もういいや」と思いました。好きな事も商売になったら疲れる。
商売と割り切るのも疲れる。
大好きだけど、それだけでは済まない気持ち。
いろんな感情が蠢いてとても疲弊しました。
でも、本当に、良いお式と披露宴にはなったはず。成功だと思ってくれた人が多いと良いな…
めずらしく、他者の評価が、終わった後も気になって気になって仕方がない。
他人事じゃない仕事だったから。
こういう強迫観念は、自分の育った環境から来ているのですがね。常に見張られ小言を言われ続けた日々を、細胞が覚えているんです。
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